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高橋 周一; 前川 康成; 萩原 時男*; 小此木 裕行*
no journal, ,
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に、アクリル酸メチルを放射線グラフト重合し、次いでグラフト鎖をクロロスルホン酸錯体により高分子変換反応することで、アルキルスルホン酸グラフト鎖を有する新規電解質膜を合成した。アクリル酸メチルグラフト膜のスルホン化に伴う構造変化を詳細に検討し、その電解質特性と熱安定性を評価した。
浅野 雅春; 八巻 徹也; 前川 康成; 吉田 勝; 金賀 淳*; 榎田 貴司*
no journal, ,
架橋構造が付与されると、耐熱性,機械的性質等、高分子材料としての諸性質が改善される。全フッ素系高分子のテトラフルオロエチレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)は非晶性になると室温付近で容易に放射線架橋することがわかった。そこで、その特性を検討した。60Cのアルゴン雰囲気下で線照射した非晶性PFAの100C時での破断強度は、未照射系に比べて照射系で大幅な向上が確認できた。すなわち、未照射系での破断強度が0.08MPaなのに対し、160kGy, 220kGy, 440kGy照射系では、それぞれ2.0MPa, 2.6MPa, 1.6MPaになった。破断強度は220kGy照射系において最大値を示し、その値は未照射系に比べて32.5倍にまで増大した。
佐藤 賢; 成田 正*; 高橋 周一; 長谷川 伸; 前川 康成
no journal, ,
耐熱性や機械的特性に優れたスーパーエンジニアプラスチックの中で、特に燃料電池作動下で存在する熱水への耐性が特に見込めるポリスルホン(PSU),ポリエーテルスルホン(PES)、及び、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜に着目し、放射線によるグラフト重合とスルホン化による電解質膜の作製を試みた。PSU膜とPES膜の場合、グラフト重合、及び、スルホン化による膜の溶解や変形のため、電解質膜が得られなかった。一方、PEEK膜の場合、スチレン(St)のグラフト重合とStグラフト鎖のスルホン化によって、高いイオン伝導度を示す電解質膜が得られた。特にグラフト率とスルホン化率を制御することで、膜変形なしに導電率0.0010.01S/cmの電解質膜が作製可能となった。
Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
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PEEKフィルムに電子線照射し、架橋構造を付与した。架橋線量の増加とともに架橋密度は増加し、67MGyの架橋線量で85%のゲル化率に達することがわかった。架橋PEEK膜はクロロスルホン酸溶液、又は濃硫酸に不溶となり、形状を維持することができた。そのため、これらのスルホン化剤を用いて直接PEEK電解質膜を得ることができた。一方、未照射PEEK膜は、上述のスルホン化溶液中に瞬間に溶解してしまった。架橋PEEK電解質膜の含水率は架橋線量に大きく依存し、14MGy線量架橋電解質膜の含水率が1476%であるのに対し、100MGy線量で架橋した電解質膜の含水率は102%まで抑制することがわかった。
元川 竜平; 小泉 智; 橋本 竹治; 飯田 優羽*; 川勝 年洋
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リビングラジカル重合法(RAFT重合)によりポリメタクリル酸メチルとポリスチレンで構成されるジブロック共重合体を合成した。この重合溶液について中性子超小角・小角散乱法によるその場観察を行った結果、均一溶液下でのジブロック共重合体の成長、及び、重合生成物に誘起される相分離構造の出現を小角散乱の時間変化として追跡することに成功した。その際、相分離構造のモルフォロジーとサイズの経時変化を反映して構造色が発現することを明らかにした。また、カラム分析により本重合挙動を詳細に調べたところ、相分離構造の出現は重合反応速度の遅延を引き起こす可能性があることを実験的に初めて見いだすことに成功したので、この結果について報告する。
能田 洋平; 小泉 智; 橋本 竹治; 下野 智史*; 馬場 正昭*; 山内 淳*; 伊熊 直彦*; 内田 幸明*; 田村 類*; 飯間 義雄*
no journal, ,
近年、分子の骨格部分に固定されたスピンソースを持つ常磁性キラル液晶分子が合成され、その電場・磁場への応答に興味がもたれている。一般に液晶分子は液晶セルの配向膜上で、ラビング処理の方向にそって配向する。これまでわれわれは、この配向効果を利用して、液晶セル中での常磁性液晶の異方的ESR測定の可能性を探ってきた。さらに近年、京都大学伊熊,田村らによって強誘電性を示す常磁性キラル液晶分子が合成された。本発表では、その強誘電性状態における印加電場のスイッチングへの応答時の配向変化の、角度回転ESR測定による詳細な調査結果を報告する。得られたESR測定結果から、電圧無印加時は液晶分子がラビング方向に対してほぼ均一に揃っていたが、電圧印加によってスメクチック層平面に対して大きく傾くことを明らかにした。
Zhao, Y.; 宮元 展義; 小泉 智; 橋本 竹治
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重水素化ベンゼンを重合溶媒, sec-ブチルリチウムを開始剤とし、ポリイソプレン-重水素化ポリスチレンブロック共重合体をリビンアニオン重合により重合する過程と重合によって誘起された自己集合体の実時間その場観察を中性子小角散乱(SANS)法,核磁気共鳴(NMR)法,ゲル浸透クロマトグラフィー法,紫外・可視分光法の組合せにより行った。その結果、重合過程には3つの時間領域が存在することが明らかとなった。領域1ではポリイソプレン成分がリッチな(80wt%)ランダム共重合体鎖が成長する。領域2ではポリスチレンセグメントが鎖の中に現われ、ランダムブロック共重合体鎖の生成が観察された。SANS法により観察された散漫な散乱極大は重合中、末端会合している高分子鎖数が4から2へ変化したことを示唆している。領域3では、ポリスチレンブロック鎖が急速に成長し、重合によって誘起されたミクロ相分離構造が観察された。
小泉 智
no journal, ,
本発表では中性子小角散乱法(SANS)によるリビング重合反応溶液のその場観察を報告する。可逆的連鎖移動剤を用いたリビング重合法によってポリメタクリル酸メチル,ポリスチレンからなるジブロック共重合体をバルク重合した。この過程をSANSで観察しジブロック共重合体の成長とミクロ相分離、また副産物であるポリスチレンとジブロック共重合体との間のマクロ相分離を観察することに成功した。さらにSANSをもとにゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)の結果を詳細に解析するとGPCでは判別が困難であったジブロック共重合体とポリスチレンの分離に成功した。
増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*
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アメーバ運動は、生体内の細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン結合タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。本研究では、アクチン結合タンパク質のモデルとしてカチオン性鎖状高分子を用い、フィラメントアクチンとカチオン性鎖状高分子が形成する複合体構造を中性子超小角散乱法を用いて観察した。その結果、塩濃度の増大によってネットワーク様構造からバンドル構造へと構造変化すること、さらに塩濃度が増大するとバンドル構造が消滅することを明らかにした。本研究の結果は、細胞運動における塩濃度の局所分布の重要性を示唆する。
岩瀬 裕希; 小泉 智; 橋本 竹治; 八巻 徹也; 澤田 真一; 前川 康成
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本発表では、放射線グラフト重合法を活用して作製された架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)電解質膜の作製プロセスにおける構造変化、及び膨潤した状態の階層構造を中性子小角散乱法で測定した結果を報告する。さらにコントラストバリエーション法を活用することで、架橋PTFE電解質膜を形成するPTFE領域、及びグラフト鎖領域の構造情報をそれぞれ分離することに成功した。これにより電気伝導度と直接関係するイオン交換容量の変化に依存して、イオンチャンネル形成を担うグラフト鎖の構造が変化する様子を捉えることに成功した。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
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アルキルケテンダイマーをテンプレートとして作製したポーラスシリカのフラクタル次元を中性子超小角散乱法を用いて解析を行った。作製されたポーラスシリカは広範な長さスケールにわたってフラクタル的なべき乗関数を示し、これまでテンプレート法で作製されてきた孔の径や配列に関して高い秩序性を有するメゾポーラスシリカの系とは異なった構造を示す。本研究では、中性子超小角・小角散乱法を駆使して広範な波数範囲において試料の散乱関数を解析し、その結果から、孔の直径分布やフラクタル次元等の特徴的な構造を同定した。そして、フラクタル構造に関して、過去に行ったナノシート溶液系との関連性など、新たな知見を獲得し、研究の進展が見られたので、学会発表を行う。